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東京の暮らしはこれからどうなるのか。雇用は、医療制度は――。
安倍政権が成長戦略の柱として導入しようとしている「国家戦略特区」だが、我々の生活にどう影響するのか、まだ理解が広まっているとは言いがたい。「希望のまち東京をつくる会」は6月6日、「国家戦略特区は、何を狙っているのか」と題したシンポジウムを開催し、国家戦略特区がもたらす影響について議論した。
- 記事目次
- 国民に向けられた安倍政権の「ドリル」
- 茹でガエルのように「規制緩和行為」に慣れてゆく国民
- 国家戦略特区は「命の格差」につながる
- 出演者 宇都宮健児氏(弁護士、元日弁連会長)/奈須りえ氏(前大田区議会議員)/郭洋春氏(立教大学教授)/内田聖子氏(アジア太平洋資料センター〔PARC〕事務局長)
- 日時 2014年6月6日(金)19:00~20:40
- 場所 月島社会教育会館(東京都中央区)
- 主催 希望のまち東京をつくる会(詳細)
国民に向けられた安倍政権の「ドリル」
前太田区議会議員の奈須りえ氏は、「(日本経済は)東京が元気になれば他の都市も元気になるんじゃないか、ということで東京に一極集中してきたが、これが格差を招いた」と話す。
「東京23区は日本一財政が豊かな地域で、税収が多い。しかし、区民、都民に還元されていない。保育園の待機児童も多く、特別養護老人ホームに入れない問題も深刻だ。地方都市では待機児童も特別養護老人ホームも問題になっていない」
さらに「ヒト・モノ・カネが集中し、税収が上がれば都民の生活に還元されるはずだが、都民のためにはなっていない。『国家戦略特区』は、さらに東京に一極集中させようとする仕組みになっている」と危機感を示す。
その上で国家戦略特区を進める安倍政権について、「既得権者は、法に守られた『国民』のことだと安倍さんは考えている。『岩盤規制と言えども、私のドリルからは無傷でいられない』と言っているが、このドリルは私たち一人ひとりに向けられているのではないか」と分析した。
労働問題に詳しい棗(なつめ)一郎弁護士も、やはり、岩上安身によるインタビューの中で、「現在の政権も、正規と非正規の格差が問題だと認識はしているが、国家戦略特区の発想はその逆だ。『岩盤規制』を打破すると言っているが、労働者を保護するための規制である日本国憲法や労働基準法が、なぜ『岩盤規制』ということになるのか」と疑問を呈している。(IWJ・原佑介)
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茹でガエルのように「規制緩和行為」に慣れてゆく国民
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