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2013/05/24 RedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)ポール・マルケ氏インタビュー@ペルー、リマ

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24日_NGOインタビュー

 2013年5月24日(日本時間)、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の第17回交渉会合が開かれているペルーのリマで、同国のNGO(非政府組織)、RedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)のポール・マルケ氏が、IWJの安斎記者の取材に応じた。ペルーのTPP参加に強く反対しているマルケ氏は、「薬が買えない国民を増やしてはいけない」と力を込めた。

■出演:ポール・マルケ氏(RedGE)
■インタビュアー:安斎さや香(IWJ)、通訳:清水テレサ(ご本人の意向により、音声通訳のみの協力をいただきました。)

 「RedGEが発足したのは、約5年前。米国が推進する自由貿易について研究している。自由貿易の波に巻き込まれた場合、ペルーがどんな不利益を被るかを、われわれは明らかにしていく」。マルケ氏はこのように語り、「米国の巨大資本への、富の集中につながるTPPへの参加には、断固として反対する」と表明した。しかし、ペルーでは、TPPへの国民の関心度は極めて低く、それがマルケ氏にとって頭痛のタネになっている様子だ。

 安斎記者が「団体名にあるRedは、ネットワークの意味か」と問うと、「そうだ。スペイン語でネットという意味を持つ。それぞれが異なった専門性を持つ小集団を連携させて、大きなアクションを起こしていく」と応じた。

 「TPP参加は、安価な医薬品の供給を阻害する恐れがある」と話すマルケ氏は、ペルーの貧困層の大きさに照らして、「薬を買えない人が増えるだろう」と警告。米国が医薬品の分野を狙う、知的財産権保護強化の危険性に触れて、型を少し変えただけで古い医薬品に新薬の特許を認めることが、安価なジェネリック(後発)医薬品の供給に悪影響を与える可能性を強調した。そして、「ペルーの商業大臣は、医薬品の分野では、ペルー国民が不利にならないように配慮する旨を約束しているが、安心は禁物だ」と懸念を示した。

 またマルケ氏は、投資家対国家間の紛争解決手段(ISD条項)にも言及。「TPPでは、米国の巨大資本が進出国で不利益を被った場合、進出先国の政府を訴えられるが、それでは巨大資本がますます優位になってしまう」とし、安斎記者が示した「ペルーに巨大資本のメーカーが進出してきた場合、地元住民が経済的に潤うわけでもなく、もたらされたのは環境汚染だけ、とのオチがつきかねない」との見方には、「巨大資本の権力は、甚大だ。一般労働者の力では、とうてい太刀打ちできない」と述べた。

 ペルー政府がTPP交渉に参加していることについて、マルケ氏は「ウマラ大統領が、米国のオバマ大統領と協議する段階を迎えたら、もはや危機的状況といえる」と話した。TPPに関する具体的な抗議活動については、「先週も市民デモがあった。デモ隊の中には、医者や低賃金労働者の姿が目立った」と説明した。【IWJテキストスタッフ・富田】

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